映写相談室【Q&A】

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Q.フィルムのつなぎ目がスプロケットローラー部分を通過する際に目が飛んでしまいますが、どういった原因が考えられますか?またその際の対処をどうしたらよいでしょうか?

加藤元治氏の回答

  • フイルムスプライサーの不備などにより、テープのカスが残っている場合、パーフォレーションの穴が完全に抜けていない場合。
    ※テープスプライスの際、表と裏のテープ位置を一目ずらすと、つなぎ目のショックを和らげる効果があります。
  • スプロケットとパットローラーの間隔が広くなっているか、狭くなっているか。フィルムの厚さの1.5~2倍位の間隔にすること。
  • フィルムの奥方と手前が同じ間隔であるかチェックする。
  • パットローラーが回転しているかチェックする。回転していないとつなぎ目を吸収できない場合がある。
  • インタースプロケットは使用回数にもよるが、目視及び触覚で異常がある場合は交換する。(インタースプロケットは定速回転しておらず負荷がかかるため、どうしても磨耗してしまう)

上田功氏の回答

目飛びの原因として考えられるのは、やはりインタースプロケットと押さえローラー(又はシュー)の隙間が適正でない場合が考えられます。通常フィルム2枚分の厚さで調整するとか言われていますが、正確にはスプライサーテープで実際に繋いである部分をインター部に挟んでフィルムが、きつくなく緩くなく通る隙間が適正です。きつい(狭い)とテープの厚みで押さえローラーが弾かれてしまうし、緩いと繋ぎ部分の負荷で目飛びしやすくなります。又、インタースプロケットと押さえローラーの隙間は手前側と奥側がほぼ同じであることが必要です。これがずれているとフィルムの押さえ方が不安定になり、結果として目飛びしやすくなります。
フィルムの繋ぎ方を見た時に、限度を超えた繋ぎ状態の悪い箇所では映写機が正しく調整されていても目飛びしやすくなってしまいます。

石井義人氏の回答

  • 適切なスプライシングでなければ改善します(二重、連続、はみ出し)
  • 押えローラー(シュー)との隙間を観察します
  • 必要があればスプロケットのアライメントを調査します
  • もしかしたら、部品交換が必要な状態かもしれません

以上の作業でほとんどのトラブルは解決されるはずです。ただし良く訓練された作業者が行うこと。

スプロケットやローラーを反対方向に差し替えることは特殊なケースになると思います。爪やローラーが偏って摩耗しているということは映写機に問題があると考え、その原因と対応を探すべきです。また、反対方向に差し替えることが出来ない映写機もあります。

山形康人氏の回答

まずは、フィルムへの物理的プレッシャーです。
映写機はフィルムを送り出す時にもブレーキをかけて安定してフィルムを走らせるようになっています。上部スプロケット部分で起こるのであれば、マガジンからの送り出しのバックテンションが強い可能性があります。この場合、このバックテンションを緩めることで対応できます。

その他、部品の軸ずれも考えられます。インタースプロケット部分で起こるのであれば、スケート部分のテンションが強い可能性があります。
この場合、スケート部分なので押さえないと絵ブレの原因にもなるので調整で何とかするしかありません。その他、ここもですが部品の軸ずれも考えられます。

ここはほぼないと思いますが、サウンド手前のスプロケットで起こる場合(主に逆転機能のある映写機ですが)サウンドドラムの軸受け不良・ベアリングの不良の可能性があります。この場合、軸受けの点検・交換・ベアリングの交換の必要があります。
その他、ここもですが部品の軸ずれも考えられます。

下部スプロケット部分で起こるのであれば、巻き取りトルクが 強い可能性があります。この場合、巻き取りトルク調整で対応できます。その他、ここもですが部品の軸ずれも考えられます。
その他として、スプロケットの摩耗が考えられます。この場合逆転機能のない映写機であればスプロケットを反対に差し替えれば対応可能です。

スプロケット押さえのローラーが回っていない・テンションが強い可能性もあります。この場合ローラーの交換・注油等とテンション調整で対応可能です。

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